• 事業コンセプト

  • 「Please help me」(私を助けてください)。

    新型コロナ禍の猛威が広がる中、大阪市生野区で暮らすフィリピンルーツのひとり親からメールが入った。この若い母親は、子ども3人を育てるために、日本語も不自由な中で、日々懸命に働き生きています。非正規の職場で働く彼女は、普段でも子育てをしながら生活するのに精一杯。社会的にも孤立しがちで、心身ともに追い詰められSOSを発信してきたのです。

  • 「世界に最も近いまち」大阪市生野区

    私たちの活動拠点である大阪市生野区は、区民13万人のうち5人に1人以上が在日コリアンをはじめとする外国籍住民で、いまや60か国以上にルーツを持つ外国人が暮らす多国籍・多文化のまちです。この外国籍住民比率は全国の都市部で最も高く、ある意味日本で「世界に最も近いまち」と言えるかもしれません。また同区には、年間200万人の来街者でにぎわう大阪生野コリアタウン(御幸通商店街)がある一方で、超少子高齢化、子どもの貧困化が進み、空き家が増加するなど日本社会が抱える都市部の「課題先進エリア」でもあります。


    生野区は、はるか古代の時代から連綿と続く朝鮮半島との歴史が息づくまちであり、友好と断絶、支配と抵抗、差別と共生など清濁合せのみながら生き抜いてきたまちです。幾重にも積み重なる歴史の苦難を経てきたことにより、とても人情味のある懐の深いまちです。さまざまな経験や文化的背景をもつ「面白い」人たちがたくさん暮らす「多様性」にあふれるまちです。まち全体が新しい発想や変化に寛容であり、難題の解決に向けて柔軟な対応力を発揮できる力を秘めています。
     

  • 「誰一人取り残さない」多文化共生のまちづくりをめざして

    いま、経済・社会分野などあらゆる分野で既存のパラダイム(枠組み)が大きく変わろうとしています。経済成長と社会的包摂と環境保護という相矛盾するかのような課題を同時に進めていかなければならないという難題に直面しています。そうした難題に対する「解」はいまだに誰も分かりません。国連では「誰一人取り残さない」世界の実現を目指して、すべての政府・企業・市民セクターの国際目標として「持続可能な開発目標( SDGs)」の取り組みが推進されています。私たちは、こうした国際的な潮流にも注目しながら大阪市生野区において「誰一人取り残さない」多文化共生のまちづくりを目指して、市民主導による人的交流と論議、情報交換と共有、学びと実践の場となるプラットホームをつくることで「多文化共生の生野区モデル」の構築に寄与します。


    しかし、多文化共生のまちづくりを目指す私たちの前には、いくつもの厳しい現実と大きな障壁が立ちはだかっています。日本語指導が必要な外国籍高校生の中退率が、日本の高校生の7倍以上である現実。教育・医療・福祉などの生活上の悩みをどこにも相談できずに孤独の中で震える外国人の存在。地域社会での日本人と外国人との交流機会の圧倒的な不足と意識の断絶。多文化共生に向けた基本法に基づく外国人の人権保障を謳う総合施策の不在など。


    今後ますます経済的格差が広がり、政治や社会の分野においても殺伐とした雰囲気がより一層広がることも懸念されます。その影響は、外国ルーツの子どもたちや高齢者などの社会的に弱い立場の人々を直撃し、深い傷跡を残すこともまた、想像に難くありません。
     

  • 「共生のとりで」づくりに挑戦する

    私たちは地域社会、学校・大学、企業、行政など、さまざまな領域間の相互乗り入れを通じて、「Please help me.」(私を助けてください)に応えられる地域における「共生のとりで」づくりに挑戦します。「共生のとりで」は、過度な「自己責任」の風潮や「排外主義」の大波から社会的な弱者を護る「防波堤」の役割を果たすとともに、それに抗し未来を切り拓いていく次世代を輩出する「揺籃」の役割を担います。


    一人ひとりが内に秘めている可能性を、自信をもって、安心して、自由に伸ばしていける地域の環境をつくります。私たちは、日本人も外国人も、そして誰もが暮らしやすいグローバルタウンを目指します。

     

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